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かかりつけ医について(連載9②)尼医ニュースより転載 医療ソーシャルワーカー(MSW)の投稿

かかりつけ医

             兵庫県立尼崎総合医療センター 地域医療連携センター 肥塚真由美

はじめに

 医師会の先生方、いつもお世話になっております。尼崎総合医療センター地域医療連携センターでMSWをしております、肥塚真由美(こえづかまゆみ)と申します。今回、内藤先生から、病院のMSWから見たかかりつけ医について書くようにとのご下命があり、僭越ながら誌面のスペースを頂戴させていただきます。
 私が所属する地域医療連携センターの業務は、かかりつけの先生からのご紹介の予約、入院患者さまの退院支援、患者さま相談、関係機関さまに向けた広報等です。
 当院では、1カ月に約1,800通の紹介状をいただいており、かかりつけの先生からのFAX予約と患者さまからの電話予約を合わせ、約85%が予約で受診いただいています。その一方、紹介状がありながら、予約なしで受診される患者さまが月間約280人(約15%)ほどいらっしゃいます。(本年4月~6月の3カ月の平均、救命救急センターを除く)
 中には予約をご依頼いただいても予約枠がなく、仕方なく予約外で受診いただいた患者さまもおられ、できるだけそのようなことをなくすために、ご紹介患者さま用の予約枠を増やすよう診療科へ働きかけるなどしております。予約外患者さまが増えることは、外来全体の待ち時間の増加につながりますので、かかりつけの先生方におかれましては、お手数ですが予約依頼をいただけますよう、引き続きよろしくお願い申し上げます。

かかりつけ医について

 さて、本題の「かかりつけ医」についてですが、かかりつけ医の定義は、公式に統一されたものがないということで、私のざっくりとした理解は、「継続して通院してみてもらっている」先生で、「何でもまず診察してくれて、必要な場合は専門医療機関を紹介してくれる」「普段からかかっているから、何でも知ってくれている」というところです。なので、特に持病がなく、何かあれば年に1、2回行く医療機関はかかりつけとは言わないのかな、と思っています。
 私が担当する後方連携の業務において、かかりつけの先生と連携させていただくことが多いのは在宅医療のケースです。

患者さまがかかりつけ医の変更を希望される場合

 時々困ることがあるのは、患者さまが、もともとのかかりつけの先生とは別の先生を希望される場合です。理由はいろいろあり、たとえばある方は、かかりつけの先生があまり話を聞いてくれないので相談しにくい、というものでした。このような場合、他の先生をご紹介する前に、家族さまに先生の所に行ってごあいさつしてきていただくようお話しますが、それも難しいと言われる場合には、担当者から先生の方にご連絡させていただくことがあります。人と人とのことなので、相性というのもあるかと思います。その場合は、どうかお察しいただけますようお願いしたいと思います。

新たにかかりつけ医をお願いすることがあります


 また、かかりつけ医がない方やかかりつけ医が訪問診療をされていないため、新たにかかりつけ医になっていただく先生をお願いすることもあります。その場合、急なお願いになることが多く、おまけに当院医師の診療情報に不備があったりでご迷惑をおかけすることもあり申し訳なく思っています。時には、かかりつけをお願いした先生のほうが親身に一緒に考えて下さったり、不安な患者さまやご家族さまに寄り添い、安心させてくださったり、「あとは帰ってからぼちぼち話していくよ。」と言ってくださることもあり、とても頼もしく感謝の気持ちでいっぱいです。

オンラインカンファレンス

 常々、電話や退院前カンファレンス等で、できるだけ密な連携、情報共有を心がけておりますが、遅ればせながら、オンラインでのカンファレンスを行う環境を整えましたので、連携を深める一助となればと考えております。

担当した患者さまのその後を知る

 私たちは、在宅医療をお願いした後は手を離れてしまうのですが、在宅看取りをしてくださった先生から電話でご報告をいただくこともあり、担当させていただいた患者さまのその後を知ることができ、とてもありがたく思います。

おわりに

 内藤先生からお手盛りでない内容をとの仰せをいただいておりましたので、もしかしたら失礼な内容も含まれていたかもしれませんが、どうかお許しください。その他、ご意見や苦情等は、トリプル山田(山田圭介副院長、山田裕二センター長、山田真紀課長)まで、お寄せ下さいませ。
 これからも患者さんをともに支える地域の医療チームの一員として、精進してまいりたいと思いますので、ご指導よろしくお願いいたします。

医師からのコメント

横田芳郎先生からのコメント

 肥塚様は、私個人的にも後方連携の現場で大変お世話になっているMSWのスタッフ様です。この場を借りて御礼申し上げます。在宅医療を行っていないかかりつけ医からの紹介患者が退院されるとき、通院できない場合には新たに在宅医を選定しなくてはなりません。患者と家族、かかりつけ医(紹介元)、在宅医の全ての了解を得ないといけません。大変なご苦労がおありだろうと推測いたします。最も重要なのは、家族を含め退院後の医療・介護を担う医師やケアマネジャーなど多職種との信頼関係と連携だと思います。お互いの顔の見える連携構築のためにも、退院調整カンファレンスは重要で、患者のために家族も含めてチームでケア作戦を練る貴重な時間と考えています。コロナ禍であることや都合が合わないなど様々な理由があろうかと思いますが、オンラインカンファレンスの導入も含めて積極的に参加することを提案したいと思います。もっともらしいことを申し上げましたが、そういえば私自身、貴院から受けた紹介患者の転帰報告ができておりませんでした。全くお恥ずかしい限りです。今後は、情報共有のためにも経過、転帰報告をするように心がけていく所存です。

両角隆一先生からのコメント

 医師会のWebサイトにかかりつけ医についての詳しい説明があります。かかりつけ医とは、『なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師』と定義されております。
 さらに、これを具体的に説明し、『●日常診療において、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。●自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。●日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。●患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。』とのことであります。
 皆様、すでにご覧になっていることとは思いますが、ここに最も端的にめざすべきかかりつけ医像があると思い、転載させていただきました。私は、私の外来に来られている患者様に、“私はあなたのかかりつけ医です”と積極的に伝えたことはありませんが、ひそかに“かかりつけ医たるべく最善を尽くします”とこころして明日からの診療に当たりたいと思います。

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