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かかりつけ医について(連載10①)尼医ニュースより転載   (元)尼崎公害患者の家族の会 会長の投稿

かかりつけ医

(元)尼崎公害患者 家族の会   会長 松 光子

今は亡き野村医院院長

 私だけではなく、南部の人々のかかりつけ医は、今は亡き野村医院院長の野村和夫先生です。昭和40年の始め頃は、公害と言う事は全然知りませんでした。咳や喘息の人々が多くて、野村医院に通院していました。私も父や息子も激しい咳や痰に悩まされ続けていましたが、野村先生の診察を受けるようになり、同じような症状を訴える人々が本当に多く待合室におられました。
 疑問に思った私は「先生、なんで皆同じような病気なんですか、尼の南部に住んだら、同じような病気になるんですかね。」とお聞きしましたら、「これは工場から出る排煙やら、自動車から出る黒煙が原因。だから元から正していかないと駄目」と言われて、改めて尼崎は昔から煙の町、工場から出る煙は繁盛のあかしとして言い伝えられて来ている私には「?」と首をかしげるだけでした。それからは、昔から代々住んでいる人達と週一回ぐらいずつ診療所に集っては公害問題について勉強をしました。
 野村先生は病気の事はもとより、世の中の事も教えて頂いた本当に大恩ある先生です。
  今日私が頑張ってこられたのも、野村先生の教えがあった事と心より感謝しております。  

かかりつけ医に望むこと

 そして、かかりつけの医者に望むことは、患者は心身ともに弱って医者にかかるので、患者に常に寄り添い、身体だけではなく心の治療をしてくれることを切望しています。

医師からのコメント

八田昌樹会長からのコメント

 松様のご寄稿を読んで、この時代に正に「かかりつけ医」の鑑と言っても過言ではない我々の大先輩である故野村和夫先生の存在を知り、改めて尊敬の念を抱かずにはおられません。昭和30年~40年代の尼崎市は高度成長期の工場からの排煙や43号線(第2阪神国道)の産業道路からの排気ガスによる公害で呼吸器疾患を患い苦しむ患者さんが多くおられました。患者さんの治療にあたるだけでなく、啓蒙や勉強という活動を通じて患者さんに寄り添い支えてあげることができたのは「かかりつけ医」として本当に素晴らしいことで誇りに思います。
 「患者に常に寄り添い、身体だけでなく心の治療も行う」「かかりつけ医」たるべく日々の診療に励みたいと存じます。

黒田佳治先生からのコメント

 患者さんと共に公害問題に対して取り組まれていた故野村和夫医院長をかかりつけ医とされておられた松様の先生に対する思いをお教えいただきました。患者さんのことを考え患者さんに寄り添い、患者さんと共に行動されていた野村先生に恩を感じられ、常に患者さんに寄り添い身体だけでなく心の治療をもされていた野村先生がかかりつけ医のお手本だと思いました。

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