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かかりつけ医について(連載11②)尼医ニュースより転載    尼崎市認知症介護者の会 会長の投稿

かかりつけ医

尼崎市認知症介護者の会 南條静子

尼崎市認知症介護者の会について

 尼崎市認知症介護者の会は、2002年に発足した40名足らずで、認知症本人や家族を中心に月1回のつどいや会報発行、電話相談をしております。
 コロナ禍で昨年から緊張と不安の中、コロナワクチン接種が実施されました。接種については、集団接種か又はかかりつけ医とのこと。介護者の会の人達は、本人と共にかかりつけ医で、ワクチン接種を受けられています。

家族が思うかかりつけ医とは

 会員にとって、かかりつけ医は大きな存在です。認知症と診断される以前に、高血圧や糖尿病、腰痛等様々な病気で受診されていますので平素からかかりつけ医にお世話になり専門医に繋いでいただいています。中には、医者嫌いや、物忘れがひどく活動的な認知症の人はなかなか受診されず、ご家族が不安になり、会に相談されるケースもあり、医療機関に如何にして繋げるかは、課題です。

家族が思うかかりつけ医とは

・気軽に受診できる
・信頼して、話しやすい
・専門医につなげてもらえる 
       以上の三点です。 

気になるケース

 会では、認知症と上手に付き合っていた家族が、本人の癌を医師から告げられた時の動揺や不安をどのように受け止められたのか気になります。本人自身、手術や入院について充分理解できません。家族は可能な限り在宅で介護したいと思っていましたが、かかりつけ医は訪問診療をされておらず、わりと冷たいと家族は感じており、相談することもできませんでした。もっと気軽に相談でき、在宅医療に繋げていただければと感じております。

住み慣れた家で住み続けたい

 認知症であっても、住み慣れた家で暮らし続けるためにはどのようにすれば良いでしょう。 
 本人も家族も、住み慣れた家で住み続けたいとの思いがあります。老々介護ですから、どちらもが元気であること、元気であるためには、健康管理が大切です。 
 皆さん、かかりつけ医はあります。受診はおこたりません。その都度指示を受けたいと思います。日ごろ、本人は訴えることはありません。家族の対応や注意点はどの様なことでしょう。
 家族が元気で暮らし続けることも知りたいです。

 会では、積極的につどい参加されるよう誘っています。月1回、2時間程の集まりですが、毎回、次回お会いできることを約束して笑顔の散会です。 フレイル予防とリフレッシュを心がけています。

医師からのコメント

今北正道先生からのコメント

 地域包括ケア・勤務医委員として今までの尼医ニュース「かかりつけ医について」拝見させて頂きました。
 医師の考える、かかりつけ医については多かれ少なかれ大差はありません。
 看護師さん、薬剤師さん、その他パラメディカルの方々もほぼ変わりないようですが親身になって診てくれて連携が取れる医師を望まれているようです。
 今回の認知症のご家族の貴重な意見では、すでにかかりつけ医はおられますが今後も住み慣れたところで暮らしていくためにかかりつけ医さんには病状変化に対しての対応を期待されています。
 また今回のサービス付き高齢者住宅のメロディハウスさんは患者さんの立場になって素晴らしい介護をされているように感じます。
 サ高住の中には経営優先で利用者さんが気の毒に思われる所をいくつか見てきましたが、この施設ならどんなかかりつけ医でも大丈夫だと思います。
 問題は今後増々高齢者が多くなり有病の高齢者さんにかかりつけ医を持ってもらうかということだと思います。元気な患者さんはご自分の都合に合わせてかかりつけ医を使い分けされます。年に数回だけ受診される大病院の医師をかかりつけ医と思っている方、逆に年に一度受診される方(ワクチン接種の予約時)がかかりつけ医と言われる場合もあります。まあ、これもありだと思います。
 我々開業医は普段から丁寧な診察と納得される治療を行うことでかかりつけ医と思ってもらえる患者さんが増えるようにいたします。

田口隆司先生からのコメント

 介護者会・サ高住からのレポート、委員会での議論をマーケティングの考え方で整理してみました。介護者会・サ高住からのレポートは医療サービス消費者としての患者・家族が日常接する医師(かかりつけ医)へのニーズ(現状と理想状態を比較して感じる欠乏)・ウォンツ(具体的な手段や対象に対する欲求)を述べたもので、委員会で繰り返し話し合われた内容と思います。ニーズを把握し、それを充足することで患者・家族がサービスに対して感じる価値(ベネフィット/コスト)が高まります。サービスから得るベネフィット(機能的、情緒的)を高め、サービスを得るためのコスト(金銭的、時間的、心理的)を下げることで、消費者のより強い満足が可能となります。その具体的内容が患者家族の心情が伝わる形で両レポートには述べられていて、患者中心コンセプトの「かかりつけ医」像と呼べるかもしれません。
 一方、超高齢化社会においては、公的(コモンズ?)な希少資源である医療へのニーズに対応するため、健康な時から継続的に地域住民の健康状態を知り、患者の健康問題全体を把握して、必要な医療をタイムリーに受けることができるように、健康に関する情報、病歴や服薬歴を管理する医師としての「かかりつけ医」が求められ、それは安心安全な持続的社会のための利害バランスを保ち社会厚生を図る、社会的コンセプトとしての「かかりつけ医」像でしょう。
 前者についてはこれまで、いろんな立場から述べられてきたようなので、今後は後者について諸外国の例も学びながら議論を進めてはいかがでしょうか。

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