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かかりつけ医について(連載5①)尼医ニュースより転載 地域包括支援センター職員の投稿

かかりつけ医

                               小田南地域包括支援センター

地域包括支援センターについて

 わたしたち地域包括支援センターは介護保険法上、「地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行い、保険医療の向上・福祉の増進を包括的に支援する施設」と定義され、保健師(準ずる者を含む)・社会福祉士・主任介護支援専門員の三職種が在籍しています。業務内容としては「総合相談」「権利擁護」「介護予防ケアマネジメント」「包括的・継続的ケアマネジメント」の4つの柱で構成されており、各職種が連携しながら地域との関係づくりやネットワーク構築に日々奮闘しています。

かかりつけ医との連携

 今回のテーマである「かかりつけ医」ですが、2025年に向けて地域包括ケアシステムを構築していく中で地域包括支援センター(以下センター)とかかりつけ医との連携は不可欠なものになってきます。今回はこれまでわたしたちがかかりつけ医と連携させていただいた中で感じたことをいくつか紹介させていただきたいと思います。

かかりつけ医との連携により中断していた受診を再開させるきっかけとなった事例

 近隣住民より「きちんと生活できているのか心配な人がいる。」とセンターに連絡が入る。何度か訪問するもお会いすることが難しかったが近隣住民からの情報で以前に通院していた医院が判明。担当医師に事情をお伝えし物忘れがあることや最近受診に来ていないこと、また家族の情報を知ることができたため認知症初期集中支援チームとも連携することができ複数機関で対応することができた。

医療機関へ繋ぐのが難しい方に対して

 センターが関わる中で初回訪問時に必要があるにもかかわらず医療に繋がっていないケースが多くあります。その際、本人に対して医療の情報提供等を行いますが、本人の経済面や性格等の問題で医療機関までお連れすることが難しいことがあります。特に精神疾患の方のケースで多いですが、初回で訪問診療をしてくださる先生が増えれば大変ありがたいと感じています。

相談時の費用について

 本人不在でセンターのみでかかりつけ医のもとへ相談に行った際、その時の診療費を後日本人へ請求されていたことがありました。医師とケアマネジャー連携シートも活用させていただいてはおりますが、連携シートだけでは伝えづらく対面でご相談させていただきたい事例もあります。本人へは内緒で相談させていただくことも多いので今後どのように対面でのご相談をさせていただければうまく連携ができるのかを悩んでいます。

 上記の事例からも分かるように「うまく連携する」、それができる環境であることが一番重要なポイントだと考えています。社会的な背景として高齢化だけでなく家族関係の希薄化や単身世帯化等により医療機関だけが数少ない関りの一つという人も増えてきています。さらに今後は高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業が始まります。そういった意味でも今後ますます医療と福祉がお互いを知り意見交換を行って連携を密にしていく必要があります。地域包括ケアシステム実現に向けそれぞれが互いの役割を認識し、皆で手を取り合いながらよりより地域にしていければと思います。

医師からのコメント

山本房子先生のコメント

〇中断していた受診再開の例
 以前に通院していた医院が判明し、認知症初期集中支援チームにつなぐことができて良かったです。近隣住民の方にまで丁寧に聞き込み調査された努力の賜物と思います。
〇医療機関へ繋ぐのは難しい方の例
 認知症や様々な理由で、医療拒否・介護拒否の方が時々おられます。医療拒否・介護拒否・他人に介入されることに拒否がある方について、地域包括支援センターより相談があった場合は、全例、初診往診に伺っています。あらかじめ、関わる方に保険証 を持参して頂き、カルテを作っておけると良いのですが、当日、保険証の確認をし、写真を撮らせていただくこともあります。以前、「市役所の人のようにして来てください」とご家族に依頼され、(市役所の人に見えたかどうかは甚だ疑問ですが)初診往診に伺ったこともありました。
 今後、ますます、このような事例は増えることと思います。できるだけ多くの先生に初診往診対応していただけることを期待いたします。
〇相談時の費用
 これは、大変難しい問題です。当院では、外来患者さんについても訪問患者さんについても相談で費用を請求したことはありません。しかし、家族がいない方で家族代わりの方が外来時間に来られ、カルテを開けて相談となると代理診察と考える先生がおられても止むを得ない気もいたします。
 今は、あまつなぎホームページから「医師とケアマネの連絡票」をダウンロードができ、情報共有できる仕組みができています。(「医療・介護関係者の皆様へ」 ⇒ 「連携」のページ内にあります)できるだけ多く周知されるようにと思います。
 相談にお越しいただくタイミングは、他の先生も仰っておられますように、とても大切と思います。

 高齢者の保険事業と介護予防の一体的な事業が始まるのですね。
 医療と福祉の連携の大切さを御指摘頂き有難うございます。相互の意見交換の場を持ち、連携することが大切と思います。同じ事例は一つもなくcase by caseと思いますが、「うまく連携する」ことができ、地域の人々の生活が良くなるようにと思います。有難うございました。

両角隆一先生のコメント

 ここでも、(多職種の)連携の重要性が強調されております。医療と介護の一体的な実施により、より充実した地域包括支援が実現できると考えられます。

 “かかりつけ医とは何か?”というと、皆様ほぼ同様の見解を示されるのではないかと思います。おそらく、内藤先生が示されました尾道市の主治医機能3原則でしょうか。私は在宅診療にも携わっているのですが、私の診療の現状を鑑みるに誠に気恥ずかしい限りです。多機能・柔軟な対応・説明責任、どこまでできているのでしょう?“かかりつけ医”の責任を十分に果たせているでしょうか?現実的にはなかなか難しいのではないでしょうか。そこで、今回の“かかりつけ医”について考察するにあたり、その機能を十分に果たすためのキーポイントとして、“連携”があげられるのではないかと考えたのですがいかがでしょうか?実際には、一朝一夕には行かないことかもしれませんが、常に心がけてゆきたい課題だと改めて感じました。

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