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かかりつけ医について(連載5②)尼医ニュースより転載 地域包括支援センター職員の投稿

かかりつけ医

                              武庫東地域包括支援センター

かかりつけ医について

 地域包括支援センターの職員は担当する地域で暮らす高齢者がその人らしく生活するために相談支援を行う専門職です。『その人らしい』を理解することが私たちの役割であり意義となります。かかりつけ医に関しても、ご本人にとってどのような存在なのか?どのような医療機関で診てもらっているか?等が、私たちの支援に影響しているように思えます。
 日本医師会等の「かかりつけ医をもちましょう」の推奨に私たちも心から賛同し、かかりつけ医の必要性を普段の業務で実感しています。

武庫東の「かかりつけ医」エピソード

時間外の連絡

 体調不良が起こりやすい高齢者、担当の先生が不在の時や休日に何か起これば苦悩です。「救急要請まで、、、」と判断に迷う時、当日に診察してもらえたり、時間外で連絡がついて指示をもらえたときは神のようです。予約日以外の体制が豊富だと助かります。

医師と介護福祉専門職の交流

 先生の提案から介護福祉専門職と医師の合同の学習会開催が実現。先生と交流できる機会にケアマネジャーの参加が満員御礼でした。

寄り添う

 末期ガンターミナルの方の横で長時間寄り添ってくれた先生。

入院中に面会

 普段かかっている患者さんが入院したとき病院に会いにいってくれた。

制度利用の相談

 かかりつけ医の先生に他制度利用のご相談する機会が増えてます。介護保険や成年後見制度の手続きなど医師の書類作成や情報提供が必須。
 初診からご相談する場合もあります。先生のご協力でスムーズな支援につながっています。

外来から訪問診療へ

 年月が経って或いは突然、状態が悪化し活動が難しくなった方、外来から訪問診療へ移行。本人家族が信頼している先生に最期まで診てもらえました。 因みにお元気な高齢者から「地域で往診できる先生は?」と質問を受けることがあります。将来の自分の在り方を決めるために在宅医療は気になる情報のようです。

助言や提案

 疾患の理解・受け止め方、精神症状、認知症状など皆さん様々。加えて家族関係(協力者がいない)、金銭状況(十分なサービスを受けれない)、元々の性格(なかなか個性的)も皆さんそれぞれ。先生がそれらを把握考慮して、本人に生活やサービス利用の助言や提案してくれたことで、生活状況が改善できたりしてます。

かかりつけ医との連携・相互理解について

 地域包括支援センターは多くの高齢者にとって初めての生活相談の専門機関となります。高齢者や家族にとってかかりつけ医の先生は、私たちが出会う前から相談役を担っておられます。先生にご紹介いただき私たちの支援が開始するケース、私たちが出会った高齢者を先生にお繋ぎする場合があり、これを始まりに個別ケースの連携を行っています。
 併せて地域の医療機関は様々な機能や専門をお持ちの医師が勤務されています。地域包括支援センターも多種専門職(主任ケアマネジャー・社会福祉士・保健師又は看護師・認知症地域支援推進員・ケアマネジャー)が配置されています。視点や経験も異なりますので、地域のかかりつけの医療機関の情報収集や理解はまだ不十分な状況です。
 多職種連携では個別支援と同じく地域単位の実施も重要だと考えます。例えば在宅支援の事例検討、住民向けに医療機関の集約・情報発信、介護予防の啓発活動などを協働するのはいかがでしょうか。ポジティブ且つ継続的に一緒に取り組みができれば、多職種の相互理解と地域づくりが向上するのではと考えます。

医師からのコメント

山本房子先生からのコメント

「かかりつけ医」のエピソード

  • 時間外、予約日以外での神対応・・・できるだけの対応をしたいとどの医師も思っていると思います。可能な限り、早いタイミングでご連絡いただければ有難いです。
  • 介護保険や成年後見制度の書類作成は、最も大切かつ必要な手続きと思います。早めに連携できればと思います。
  • 介護福祉専門職と医師の合同の学習会 素晴らしいですね。コロナ禍が治まってまた、開催されることがありましたら参加させて頂きたいです。
  • 外来から訪問診療へ、かかりつけ医としての理想と思います。当院でも、通えなくなられ、訪問を希望される方には、開始しています。訪問して、初めて、その方の人生をより深く理解できる気がいたします。
  • 末期がんの時には、例えようもなく心細く、先生ができるだけ長く滞在してくださることは、大変心強いと思います。日曜に末期の方から往診要請が入ると時間にゆとりがあり、生まれてから今日までどんな人生だったかなど教えていただくことがあります。会話ができなくなってもご家族にできるだけ寄り添えるようにと心がけています。
  • 入院された時のお見舞い。良いことと思います。病院に伺うと驚かれますが、喜ばれます。コロナ禍の前には、できる限りお伺いしていました。「入院先の主治医と連携してくれていると思うと安心する」とのことでした。
  • 患者さん御本人の生活やサービス利用の助言や提案をされ生活状況が改善したというエピソードも素晴らしいです。あらゆる側面から患者さんがよりよい毎日を送れるように考えていくことは大切と思います。

 その患者さんの家族も含めて、頼れる相談相手になり、医療の枠を越えて、地域の「医療、保健、福祉」を総合的に担うことができるのが「かかりつけ医」と思います。地域に深く根ざした幅広い活動ができるように、これからも努力したいと思います。コロナ禍で認知症カフェを中断しておりますが、落ち着きましたら再開し、地域包括支援センターの方々にもお世話になります。多職種連携で「在宅支援の事例検討、医療機関の情報発信、介護予防の啓発活動」などご提案頂き有難うございます。とても良い取り組みと思います。

両角隆一先生からのコメント

 かかりつけ医との連携について、よい事例をいくつもあげていただいており、ありがたく思います。こういった事例は、私の経験でも少しはあったかと思いますし、今後もできる限り関係の方々と共に積極的に取り組んでいければいいと思っております。

 “かかりつけ医とは何か?”というと、皆様ほぼ同様の見解を示されるのではないかと思います。おそらく、内藤先生が示されました尾道市の主治医機能3原則でしょうか。私は在宅診療にも携わっているのですが、私の診療の現状を鑑みるに誠に気恥ずかしい限りです。多機能・柔軟な対応・説明責任、どこまでできているのでしょう?“かかりつけ医”の責任を十分に果たせているでしょうか?現実的にはなかなか難しいのではないでしょうか。そこで、今回の“かかりつけ医”について考察するにあたり、その機能を十分に果たすためのキーポイントとして、“連携”があげられるのではないかと考えたのですがいかがでしょうか?実際には、一朝一夕には行かないことかもしれませんが、常に心がけてゆきたい課題だと改めて感じました。

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